「藤田美千子さんとの再会」

藤田美千子さんとの再会
日本には「動物愛護家」と呼べる人は殆どいず、ほんのわずかであろうと思いますが、この人はまさに動物愛護の祖です。
慈愛と魂だけで動物たちを抱き上げ続けてきた人です。
マザーテレサ、宮城まりこさんに並ぶ人です。


この人からの通信が来なくなって、心配をしていましたが、このたび、思い切って千葉の長生郡まで行ってきました。人に会わない方と知っていましたし、お病気とも聞いていましたから尚のことお会いできるつもりはありませんでしたが、外に出てきて下さいました。白い長い服を着た、ほっそりと小さな身体の藤田さんは、そこに白い鳥が舞い降りたような姿に見えました。
「天に命じられて、あなたの伝記を書くためにお訪ねしました」と言いましたら、藤田さんは、深く礼をして頷いて下さいました。他の言葉は何も必要ありませんでした。


外で、藤田さんが出て来られるのを待っている間、ふと後ろを振り返ると、緑の草木に埋もれるようにしてある自分が入ってきた小道が見えました。
この時、不思議な感興を覚えました。私がいまも探し続けているいなくなった犬たち、ムクとチャーリーと、今のタロウではないタロウと、ワンタと、ブチが、こちらに向かって来ているのが見えた気がしたのです。
私は、『ああ、家を見失った犬たちが、最後にここにたどり着くのだ・・・』と思いました。


藤田さんは、その子らの全部を抱き上げて下さった方なのです。

                                  マオアキラ 2007/9/1

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※2009年10月26日追記
この記事中にあります伝記は、後に藤田さんから、「自分で書こうと思います」という心強いお気持ちを伺い断念しました。そして、藤田さんの著作「あなたたちのお母さんは私よ」が、2009年1月15日に初版発行されました。
ぜひ読んでください。藤田さんの動物に対するお心の深さ、活動の大変さ、ご自身の実像を真実味を持って書かれています。
申し込みは、藤田ワンニャン会 〒299-4403 千葉県長生郡睦沢町上市場1620-1

<私からのお願い>
藤田さんが捨てられた動物を救ってこられたからと、動物を持ち込むんだリ、そばに捨てたりは絶対にしないで下さい。藤田さんはご高齢になられ、また健康もそこなわれており、それでも現在のたくさんの動物家族を懸命にお世話されています。まさに命がけなのです。もう誰も藤田さんを苦しめてはいけないのです。どうかよろしくお願いします。