最後のアイ

今朝の10時前、アイが息をひきとった。
昨年の12月7日からわけあって我が家の猫になってくれたアイ。大きな立派な綺麗な猫だったアイ。とうとう救ってやることが出来ずに向こうに逝った。
血液検査で、エイズ白血病が陽性と出て、その上、顔に深い噛み傷をもっていたアイ。病院の先生は12月の中旬まで生きるのは難しいと断定されていたが、頑張って頑張って今日まで生きてくれたアイ。一時期、お風呂場の掃除をして出たら、アイが洗面所で私を待ってにこにこしてくれたぐらい元気になっていた。夫の寝室のホッカカーペットをずうっと温かくして、そこで過ごしていたアイ。食事を少しで多くとらせたいので、食べるものなら何でも口に入れてやりたかった。だから、アイのために夫の寝室に小さな食卓を置いて、そこで私たちは食事をした。食事の間は、私はアイを膝におき、アイが反応したものを噛み砕いて食べさせた。
苦痛のないゆったりとした時間を味合わせてやりたかった。寒さや苦痛に耐えない日々を過ごさせてやりたかった。
写真は二日前、私の膝にきたアイ。この時はもう何をやっても食べなかった。アイはもう既に膝にのるのは苦痛だったのではないかと思う。それでも私のために這うようにして箱から出てきてくれた。コップに水をいれて鼻先にもっていくと、鼻面をコップにすっぽりと入れた形で飲んだ。
夕べからそれもできなくなっていた。今朝の5時過ぎに、苦しげな声を出したが、身体をさすってやるとすぐに落ち着き、そのまま眠り、9時に夫を入浴させて部屋に戻ってきたらその時はもう息がなかった。
アイはさぞかし、自分のもともとの家に帰りたかったろうと思う。そうさせてやれなかったのが可哀想でならず悲しい。