司会者の浅はか

朝、と言っても11時に近い時間帯のワイドショー的な、司会者が中山某と北野某が出ている番組。4チャンネルだったのかな。(違うかもしれない)
遅く起きた夫の着替えを介助しながらこの番組をつけっぱなしにしていたのだが、保阪さんという俳優さんが、出家をするという話をしていた。聞くともなく聞いていると、この俳優さんは自分が子供の頃にご両親が自殺をされたということをカミングアウトされ、出家を決意されたらしいのだ。
司会の中山某と北野某は、「子供の頃の両親の自殺はトラウマになるだろう」と同情色のある言い方をしていたが、最後に、「保阪さんはついこの前、どこかに留学するとか言っていましたね。あ、そうか、出家するまで留学するってことかな。」と口の端に薄ら笑いを浮かべたのである。
すぐにテレビを消した。気持の悪い嫌な空気をこうして世の中に漂わせていくんですね。


保阪さんは、苦しいのだろう。不安感や自信喪失もあるのだろう。そういう時、必死に何かをつかもうとして、さまざまな道を想定するものだ。口にした後、揺れることもある。
それを黙って見過ごすことすらもできない時代になっているんだなぁ・・・と言い知れぬ悲哀感を感じてしまった。


勝ち組という人たちがいてもいい。でもその勝ち組になるために、あがく人を踏みつけ、迷う人を押しのけ、不安にいる人をシカトし・・・もっともらしい決め付けの冠をその人たちに被せて上に立つ。・・・虚しいよね。苦しみの渦中にいる人が出家したくなる気持、よくわかるよ。