末っ子ができた!

昨日(20日)夫とドライブに行った。帰り、NTT所有の何ヘクタールもある広い空き地を通りかかった。夕暮れに差し掛かる時刻である。雑草の茂みから、茶色の小さな生き物が姿を表わし、私の車の音にあわてて引っ込んだ。
「仔猫だ!」と車を止めた。多分、生後一ヵ月半ってところだろう。こんな見渡す限りの空き地の中で生き延びれるはずがない。飢えと乾きと寂しさに苦しみながら死んでいく。とてもそんなこと黙認できるか。
車に積んであるドッグフードを持ち、姿が消えたあたりにしゃがみ、「チョチョチョチョ・・・」と呼んだ。応えなければ救出は無理だ。声で応えても見つけるのは難しい。出てきてくれなくては助けられない。
心で「出てこい! 出てきて!」と祈るように呟きながら、「チチチチチ・・・・」と呼び続ける。
「ニャァ〜」と近くで声がしはじめた。すぐには茂みをかきわけてはだめ。それに恐れて奥に逃げてしまう。
「チチチチチ・・・」と尚声を柔らかくして呼ぶ。・・・ついに出てきた! 手を下から延ばし、すいっと身体を掬い上げるようにして手に乗せて胸に抱いた。


こうして新しく我が家の末っ子になった「ニーヤ」。男の子だ。多分きょうだいが何匹か一緒であったろう。他の子たちはおそらく助かるまい。人間の手に救われない限り。ニーヤを抱いてしばらく他の子を呼んでみた。だが気配すらしなかった。・・・・・・・・・・。


食堂においていたら、いつの間にか網を抜けてタロウのいるサンルームの方に行ってしまったらしく、トコトコ歩いているニーヤ。タロウが匂いを嗅いでいる。アブナイ、アブナイ! タロウの胸三寸で急所を噛まれることもある。動物とはそういうものなのだ。タロウはベルたちと仲良くサンルームと庭で同居しているが、だからと言ってそれが当たり前なのではないのだ。何かあれば、猫をひと噛みで殺すことができる。犬はそういうものなのだ。
大きな猫は防衛できるので現在あまり心配していないが、でも別の猫、それも小さな猫がタロウを驚かす形で表れたら犬の力を発するだろう。そのことは常に念頭において気をつけている。