森の猫 シャムよ

日記を整理したいと思ってあれこれ開いてみたら、猫達や犬達のことをあちこちの日記に書いている。保存に自信がないので、少しづつここに持って来ようと思う。まず、さるさる日記に書いている森のシャムのことを持ってきた。

■2003/10/07 (火) シャム
今朝方一度目覚めてもう一度眠りについた時、森のシャムの夢を見た。
家の門に(といっても知らない家並みの中の家である。夢の中で、そこが自分の家になっていた)、散歩に連れていく犬を何匹かつないると、そこに森のシャムがきたのだ。シャムは、嬉しそうに、犬たちや猫たちに、一生懸命何度も何度も頭をこすりつけていた。
「ああ、シャムやシャムや! 帰ってきてくれたのね!」と私は嬉しくて嬉しくならなかった。シャムの左首筋に、噛まれた跡がついていた。私は心の中で、(あの子は、犬か猫に噛まれて、その傷が治るまで戻れなかったんだなぁ)と呟いていた。そこで目が覚めた。


シャムの夢を見たあと、どんなにこらえても涙が溢れる。あの虚弱で鳴き声もたてたこともなく、兄のハンベェに寄りかかって、生きているのも遠慮しているように儚げに見えたシャム。ハンベェが事故で死んだ後、私は本当に心を砕いてシャムを見守っていた。
父の看病で千葉通いを頻繁にしている間に姿が見えなくなってしまったシャム。私は、ずうっと、自分が父の看病に疲れて、他のことはどこか投げやりになっていたことが、辛くて辛くてならなかった。シャムを守りきれなかったことがたまらなく悲しかった。
夕べのシャムは、そんな私を慰めるために戻ってきてくれた、と思える手ごたえの確かな夢であった。
シャムよ、シャムよ、とただ泣けて仕方がない。

2003/10/21 (火) 夢の記述より転載

夫の母から生前もらった高価な陶器がいくつかある。その陶器が、
家の前の道路に雑然と並んでいる。何枚か重なっているものもあ
る。私はそれを見て、(あんなところに出して・・・)と思った。
と、重なっているものが、ゴトゴトと動く。何かしたから押し上
げているものがいるようである。
私は(なんだろう、どうしてだろう)としげしげと見てると、そ
の下から猫のトムが出てきた。
「あ」と思い、近づく。トムはヨロヨロとふらつき、私の方をふ
りかえって、私の顔を見上げた。私は胸がいっぱいになって、ト
ムを抱き上げようとした。
が、私がトムにさわる前に、目が覚めた。

目覚めた時、もう八時になっていて、私はすぐに起き上がった。
この時、(あぁ、あれはトムではなくて、森のシャムだ・・・)
と思った。トムは今年病気で死んだ。森のシャムは、父の看病に
通うのに大変な思いをしていた六月から行方がわからなくなって
いて、私はずうっとシャムのことを心配している。
そのシャムが私に何かを知らせようとしてると思えた。

どんなに心をかけても、こうした悲しみがつきまとう。