第八回 奇襲 海ノ口

真田幸隆の命で、海ノ口に赴いた山本勘介(内野聖陽)は、城主、平賀源心(菅田俊)に請われるまま城に入り、やがて来るだろう武田信虎勢をどう迎え撃つかの策をねる。城の外側に泥をぬり、火のついた矢がとんできても消えるようにすること、海ノ口城の水脈を断とうとする武田側の策略をよみ、水脈を辿って地下を堀ってやってきた武田の兵をやっつけるなど、勘介の兵法は冴え渡る。
そうして、ついに信虎は海ノ口城をおとすことを諦めて兵を退く。
喜ぶ平賀源心と妻、娘、家臣たち。源心は兵を休ませてやりたいと、解散を言い渡す。
それを聞いて激しく反対する勘介。「私が武田なら、引き返して夜襲します。」と。
だが、源心は楽観的だ。
その後、武田のしんがりを勤めているのが、晴信(市川亀治郎)と知って、勘介は慄く。武田の若殿はうつけだ、とたかをくくっている源心の娘婿に、「武田の若殿はうつけではありませぬ。もし、引き返してこぬなら、本物のうつけ・・・。」と言う。


そして、晴信は、勘介のよみ通り、海ノ口に引き返し夜襲をかけ、城をおとす。信虎が8000の兵をもってしてもおとせなかったのを、300の兵でおとしたのだ。
源心は首をとられ、源信の妻は自害。娘婿は、「武田の若殿はうつけではなかった・・・。」と呟く。
勘介は城の天井(?)に隠れる。その目の下に現れる晴信。


今回は、勘介が生き生きと己の兵法を形にする様を見せていた。勘介がただの暗い兵法者ではなく、天性の明るさ、大らかさを秘めている人間像が垣間見えた。
内野聖陽は隙なく勘介になりきって、ドラマを引っ張っていってる。