第十四回 孫子の旗

第十三回は、武田の重臣竜雷太から不信され、宍戸開と闘う(戦)はめになり、山本勘介は川を戦場にして血を流さず宍戸に勝つ。武田家ではその間、晴信(市川亀治郎)の次男が疱瘡で生死の境をさまよっており、熱がひき回復したかに見えたが失明という不幸を担ってしまう。晴信の妻、三条夫人(池脇千鶴)は勘介が疱瘡で片目を失ったことに拘り、晴信と妻の間に不穏な空気が流れはじめてきた。


さて、十四回はその続きであるが、諏訪の裏切りに合い、今回の終わりには、山本勘介(内野聖陽)ともう一人の家来を高遠と諏訪に入らせ、奸計をもって諏訪を自滅に導こうとする。来週はこれが功を奏して武田は勝つわけなのだろうが、晴信と三条夫人の間に決定的な亀裂が入ることになるのだろう。
そうした氷が割れやすくなっている春先の湖のような鋭い危うさを秘めた緊張感が全編漂って面白かった。また旗を孫子風林火山からとって新しくするのだが、その旗に精神を高ぶらせて雄たけびをあげていく武田の家来たちの場面はひきこまれた。
毎回思うが、筋の描き方もわかりやすく丁寧で、歴史に疎いものもうまくひきこまれていく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それにしても、我が体調重し。二三日何も考えずゆっくりただただ眠りたいものだ。
夫が薬をいやがって吐き出すのが許しがたい気分になるのだが、そうしたことからも逃げ出したい気持がおきて仕方がない。肩にのしかかる数々の重圧感がひとつも楽にならない上に、また新たな重圧感がのしかかってくる。