第十六回 運命の出会い

この回、最初から観れなかったので、次の土曜日の再放送を観るつもりだが、途中からでも刻々と異なる緊迫感が張り詰め面白かった。
内野聖陽の山本勘介の風貌が剃刀のように鋭くなっていってるのに感動さえした。主君のためなら誰でも殺す勘介は、痛々しいくらい鋭くなるはずだからだ。
そして市川亀治郎の晴信もきれいごとを微塵もつけずに描いて、それをあくまで凛と演じるのにも感嘆。
この回で腹を切らされた諏訪城主の夫人、晴信の妹を桜井幸子(?)が演じているのを、どこかのブログで、年齢的に桜井幸子は合わない、と書いてあったが、難しい立場の複雑な感情に苦しむ女性だけに、充分な演技の出来る人の方がいいわけで、そういう意味で、桜井幸子は成功していると思った。心清らかで愛情深くしっかりした人間性のこの役をよく演じている。
由布姫は目がいい。前にも書いた気がするが、昔東映が制作して中村錦之助が演じた『親鸞』で、親鸞の妻になる女性がこの由布姫に似ていた。親鸞を観たのは高校生ぐらいだったと思うのだが、当時、親鸞の相手役の女性のきりっとした美しさが素敵に思えたものだった。
親鸞はともかく、今後の展開が楽しみである。