第十七回 姫の涙

山本勘介(内野聖陽)が、一度は由布姫(柴本幸)を逃がそうとしたが、後伝助から晴信(市川亀治郎)が由布姫を側室にするらしいという噂を聞き、それなら逃がすより晴信の庇護を受けた方が命が確実に助かると馬で追いかけ、姫を甲斐に連れて行く前までの物語となっている。勘介の心の底には明らかに姫への思慕が深く根付いており、また平蔵(佐藤隆太)の宿命的な恋もからみ、濃厚な切なさが漂う回であった。
勘介の、姫に対して徹底的に偽悪に生きる不器用さは哀しいが共感する。
ただ、勘介の姫への恋心が、ミツにつながっているのは疑問だ。勘介の内面は常人には不可解に感じる底なしの非凡があると思うのだが・・・。でも、ミツに重ねた方が視聴者の共感を得るだろう、とは思う。