自らを殺すということ

私が8歳の秋に、継母が自ら池に入って死んだ。彼女が生きている間、ついに「お母さん」と呼ばなかったことの悔いとともに、あの継母の死の痛みと衝撃は忘れたことがない。


岡真史くんという12歳の少年が、ビルから身を投げて死んだことも忘れたことはない。彼が、身を投げた瞬間、彼の背中に翼がはえて彼の信じる国へ飛んでいったのならどんなにいいだろうと、ずうっと想い続けている。


その後、何人もの子供が自らを殺して逝ってしまった。あの子供たちの周りの大人は、あの子らが発していただろうSOSSOSSOSに気付かなかった自分を永遠に許せないだろう。


人というものは、目の前の存在が「助けて」と言っていたとしても、決してそれを悟ることはないのかも知れない。
SOSSOSSOS・・・・・もしかしたら空はこの声でいっぱいになっているのかも知れない。そこには私の声も混じっている。


でも私は知っている。誰も私を救えないことを。私が誰も救えないと同じように。