ブログタイトルに「崖下の童話作家Mの日記」とつけた理由

由来というほどのことも価値もないが、この崖下は、ひところ大騒ぎした直木賞作家の坂東真砂子さんが、自分の飼い猫が産んだ仔猫を崖下に投げていた、という、あの崖下のことである。
でも、決して、坂東さんにあてつけているわけではない。
私は、あの事件に随分気持が怒りと悲しみで動揺したが、後に、”私は崖下に生きる者なのだ”と自覚し、それと同時に、坂東さん個人に対しての感情がすっかり消えたのである。怒りも哀しみも恨みも蔑視感も。


最近読んだ、菅野雪虫さんの本、『天山の巫女ソニン』(とてもいい本です。面白い)の中で、ヒロインの父が、「運命に選ばれる者がいる」と言うのだが、私も常々、人というものは、天(運命)に選ばれて生きる場合かある、という実感を持っていて、自分が崖下に生きる者だ、と自覚した時、「運命にそう選ばれた」とわかったのである。
だから、崖下の人間の私の家は、崖上の人が投げ捨てる猫や犬でいっぱいで当たり前なのだ。・・・ということである。


これを悟ったからと言って、生きることが楽になるわけではないが、わからないまま苦しんでいるより、苦しみのもとがわかっていた方が大分いい。少なくとも、自虐でなく、「ま、いいか。」と思えるのだから。
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2007/1/8に、『新・MAOlog 風立つままに』にタイトルを変えました。元に戻ったというわけです。