第二回 さらば故郷

今回は、山本勘助の身の上を明かしながら、これまでの養父母の小林姓を捨て、実の両親の姓山本を名乗り、故郷を出るまでを描く。
勘助は12歳で両親から出家をさせられそうになったところを、小林家の養子になるが、20歳から兵法の奥義を極める放浪に出て帰ってみると、養父母には実子ができていて、勘助は邪魔者扱いをされる。その上、勘助が倒した武田家の侍の首を、小林家の実子の手柄にするべく横取りされる。
それで、小林の名前を捨て、実家の山本姓を名乗り、実家のある土地に戻るのだが、両親は既に他界し兄だけがいる。だがその兄に命を狙われ、故郷を出るのである。
なんという身の上、人生の人かとつくづく同情してしまった。
内野聖陽の勘助は、まさに苦しみにぎらぎらとのたうってる時代をよく演じていると思う。精神性を見せないところがいい。こういう時代を演じるのに、中途半端に精神的だったりするのはウソになることがわかっての演技だろうか。
ミツの役の女優は光っている。石橋蓮司中村錦之助に似てる。