長崎市長選の結果

凶弾に倒れた前長崎市長伊藤一長さんの娘さんの夫が市長選に立候補されていたが当選は果たされなかった。その報道を見て、思わずうつむいてしまった。
こんなことを書いては、前市長のご家族に失礼だと承知だが、こうした公の物事でもあるしひとこと述べても許されるだろう。
私は、娘さんが、夫が敗れたことに、市民に向かって、「父はこんな程度だったんですか?!」「父にこんな仕打ちをして・・・!」と怒りと失意を表わされていたのが率直に言って嫌悪を覚えた。それでうつむいたのだ。お気持はわかる。だが、あの言葉は逆に前市長を卑しめることだ。第一、長崎市民は伊藤市長をこんな程度だなんて思ってないでしょう。投票紙に『伊藤一長』と書いた有権者が多くいて、無効票が一万何千枚だかあったという。長崎の人たちは、伊藤一長氏を永遠の市長と尊敬し続ける、ということの表れでしょう。


娘さんの夫が敗れたのは、長崎市民の感覚はまっとうだ、ということを表わしていると私は思った。
テレビの画面でチラと見ただけで、このように書くのは本当に傲慢だが、娘さんの夫の演説から、義父を悼む気持、義父の業績を認めた、その義父が志半ばで凶弾に倒れた無念さ、惜しむ気持が伝わらず、また、この義父の志と長崎市民を愛する思いを何とか身近な自分が受け継いで頑張っていこう、という純粋な熱血も感じなかったのだ。だから私は、自分が長崎市民だったら票は入れないなぁ、と思った。


次回ですよ、前市長の娘さん。あなたの夫がこれから真剣に市民の中に入って、市長として何をやるべきかと己の内から発するものをもった時、市民の信頼や期待が集まるのではないでしょうか。むしろそこまでの時間こそ、あなたがたに貴重なものでしょう。市民を恨まず、どうか頑張って下さい。