天女

一昨日の夜、二人の天女(髪を浦島太郎の絵本に出てくる乙姫様のように結い上げて、オレンジ色の布で飾り、裾の長い洋服を着て、袖口に両手を交差して入れていたので、目覚めてから、あの二人の人は天女だと思った)が私の方を見ていて、それから後ろを振り返り山に通じる坂道を登っていった夢を見た。
二人はスラリとした美しい姿で、顔もよく覚えている。顎の線の綺麗な細面で、涼しい目元の人であった。
多分これはその晩に、雪虫さんの天山の天女を読み返していたからだろうと思う。